【シードルとは?】青森の工房から、作り方や味の違い等を詳しく紹介します。
2021/4/19(月)
(2022.9.14 更新)
シードルとは、りんごを搾り果汁を発酵させて作るお酒です。
使用するりんごの品種や、醸造過程での糖度、アルコール度数の調整等によって味の違いを演出します。
今回は私たちのシードルをもとに、作り方や味の違い、一緒に食べると美味しい料理など詳しく紹介します。
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【私が紹介します💡】 |
“A-FACTORY弘前吉野町シードル工房”工房長の工藤です。 “日本のシードル発祥の地“にあるシードル工房で、こだわりのシードルを造っています。 |
【シードルとは?】青森の工房から、作り方や味の違い等を詳しく紹介します。
冒頭の通り、シードルとは”りんごを搾り、その果汁を発酵させて造る果実酒“です。
シードルは元々フランスで生まれ、日本では1954年”青森県弘前市吉野町“で本格的に造られるようになりました。
そのため、私たちの工房がある青森県弘前市吉野町は、”日本のシードル発祥の地“と呼ばれています。
最近では、国内の醸造メーカーが世界各地の品評会で受賞し知名度も上がってきているお酒です。
(A-FACTORYシードル工房)
私たちは青森県青森市の”A-FACTORYシードル工房”で、2010年からシードルを造り始めました。
A-FACTORYで培った技術を活かし、2020年からここ吉野町でこだわりのシードル造りをスタート。
『品種や製法にこだわり、一期一会のシードルを造りたい』というコンセプトで、日々シードルを造っています。
ここまで、シードルの歴史を紹介しました。
次に、私たちのシードルの作り方を紹します。
シードルの作り方(製法) |
私たちのシードルは、以下の醸造過程を経て造られます。
❶ りんごの納品 ❷ りんごの洗浄 ❸ りんごの選定 ❹ りんごの搾汁 ❺ 酵母仕込み ❻ ろ過 ❼ 瓶詰・打栓 ❽ 熱殺菌 ❾ 検品・ラベル貼 ❿ 再検品・出荷
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まず、りんごの納品からシードル造りは始まります。
りんごによってシードルの味が違ってきますので、味の特長をしっかりおさえた上で選んでいます。
大きいタンクの場合は、一度に搾るりんごの量は2トン以上!
実は、果汁を搾る前からけっこう大変です。
いよいよ、りんごの果汁を搾ります。
このりんごの果汁を搾ることを”搾汁(さくじゅう)“といいます。
搾汁の前に、りんごを台に移して洗浄。
洗った後は一つ一つりんごの状態を確認し、悪いものは省きます。
状態の良いりんごだけを、破砕機に送り果汁を搾ります。
搾った果汁はタンクの中に送られ、自然に発酵しないよう冷却。
その後、“酵母”を仕込み発酵させます。
(酵母とは)
糖をアルコールと炭酸ガスに分解する微生物のこと。
酵母が果汁の糖分を分解することで、アルコールが作られお酒になります。
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(酵母を入れてすぐの状態)
(分かりづらいですが、酵母が動き始めてきた頃)
酵母はいきなりタンク内の果汁に入れるのではなく、少しずつ果汁に馴染ませます。
実は、温度差がある果汁の中にいきなり入れてしまうと酵母がびっくりして動きが止まってしまうのです。
タンクから果汁を取り、温度を合わせたら酵母を入れ仕込みが始まります。
日々、タンク内で仕込んでいるシードルの糖度やアルコール分、炭酸ガスなどの確認を行い、”目指した味”になるよう確かめながら仕込みを行います。
なお、私たちのシードルは”タンク内二次発酵“で製造しています。
タンク内二次発酵による自然発泡の炭酸がきめ細かく、口当たりの良いシードルに仕上がります。
また、二度発酵させることにより、深みのある味わいになります。
仕上がったシードルは、1本ずつ瓶内の洗浄したあと、充填(瓶に詰めること)し、王冠を打栓します。
そして次は熱殺菌。
安全なシードルをお届けするために必要な工程です。
熱殺菌が終わった後は、瓶や王冠、内部の状態を検品し商品ラベルを貼りつけ。
最期にもう一度検品を行い、出荷します。
以上、私たちのシードル造りの一部を紹介させて頂きました。
シードルの味の違い |
私たちの”A-FACTORYアオモリシードル弘前吉野町”シリーズには、甘口(スイート)、中間(ミディアム)、辛口(ドライ)の3種類と、ノンアルコールがあります。
それぞれアルコール度数が違い、甘口が2~3%、ミディアムが4~5%、辛口が5~7%です。
『なんで甘口だとアルコール度数が低いの?』思われるかもしれません。
それは酵母のはたらき。
先程も紹介しましたが、酵母は発酵する時に糖分を食べてアルコールを発生させます。
酵母が糖分を食べれば食べるほど、アルコール度数が上がり甘みは下がります。
そのため、甘口はアルコール分が低く、辛口はアルコール分が高くなるのです。
甘口ほどりんごの味、風味が強く感じられ、辛口になるほどボディ感が強くなります。
ここは好みですが、普段あまりお酒を飲まない方、カクテル等が好きな方には甘口やミディアムがおすすめです。
普段からお酒を好んで飲まれる方には、ミディアムや辛口をおすすめします。
ただし、味わいは使っているりんご、分量等によって変わります。
同じアルコール度数でもシードル(吉野町シリーズではナンバリング)によって味わいが異なりますので、ぜひ色々試してみてくださいね!
シードルの飲み方 |
シードルは“適切な温度でお飲みいただく”事がおすすめです。
実は、シードルによって美味しく感じる温度帯が異なります。
弘前吉野町シードルの場合は、それぞれ裏面に飲み頃温度を記載しており、大体8℃~12℃がおすすめ。
りんごの風味やお酒としての奥深さが一番良く感じられます。
私たちの実験では、室温22℃前後の時の中心温度は一般的な冷蔵庫から出してちょうど10分後に8℃、15分後に9℃、22分後に10℃、30分後に11℃、37分後に12℃という結果になりました。
室温や湿度、空調によって変わってくるとは思いますが、参考にして頂ければと思います。
あくまで最も風味良くお飲み頂ける温度ですので、基本は冷やしてお飲み頂くのが良いと思います。
また、敢えてすぐには飲まず熟成させるのもポイント。
これは私個人の感想ですが、直射日光の当たらない常温の場所で1~2ヵ月寝かせると、熟成された味わいを楽しむ事もできます。
2本用意し、1本はすぐに飲む、もう1本は寝かせておくのもおすすめですよ。
シードルに合う料理 |
シードルは多くの料理に合わせて美味しくお召し上がり頂けますが、味わいによっておすすめの料理が変わってきます。
先程の通り、私たちのシードルは甘口、ミディアム、辛口に分けられます。
私たちの工房スタッフの体験を踏まえると、甘口はチョコなどのスイーツと合わせるのがおすすめです。
また、ミディアムは甘口と辛口の中間でバランスが良いため、肉料理との相性が一番良いと感じています。
辛口は甘みが抑えられていますので、”食材の味を邪魔しない“という事から魚料理との相性が良いです。
多くの料理に合わせて頂く事が出来ますが、料理も合わせて頂くと一層美味しくお召し上がり頂けます。
ぜひ、お試しください。
弘前吉野町シリーズのおすすめ4選!
冒頭でご紹介した通り、私たちの工房は”日本のシードル発祥の地“と呼ばれる場所にあります。
元々私たちは、青森県青森市にある”A-FACTORYシードル工房”で2010年からシードルを造り続けてきました。
A-FACTORYで培ってきた醸造技術を活かし新しいシードルを造りたい。
その想いで、こだわりの一期一会の限定シードルを造っています。
基本は全て数量限定生産のシードルですが、現在も販売している中からおすすめをピックアップして紹介。
スイート(甘口):弘前吉野町12 |
香りが抜群に良く、とてもフルーティで果実間が強いシードルです。
使っているりんごは青森県産の早生フジ、もりのかがやき、シナノスイートの3品種。
コクがあり、とろみを感じて頂けるシードルです。
ミディアム:弘前吉野町7 |
私が感じる中で、一番の完成度のシードルです。
使っているりんごは青森県産のふじ、ジョナゴールドの2品種。
私は普段から色々なお酒を飲んでいますが、甘み、酸味、渋み、後味のビターさ加減と、お酒の持っている魅力をすべて感じて頂けると思います。
また、甘口と辛口の中間である”ミディアム”ですので初めてシードルを飲む方にも飲みやすく、おすすめですよ。
ドライ(辛口):弘前吉野町16 |
辛口で酸味があり、ビター感と渋みも良く感じられるシードル。
使っているりんごは青森県産のふじ、ジョナゴールドの2品種。
タンク内での超低温発酵、及び仕込み期間を6か月設けた事により、味の複雑さを表現しました。
キレのある仕上がりのシードルをお楽しみください。
【限定シードル】BRICK EDITION “I” |
100年以上の歴史がある「吉野町煉瓦倉庫」敷地内で採取された酵母を使用した限定シードル。
使っているりんごは青森県産のふじ、王林の2品種。
爽やかなりんごの風味と酸味があり、酵母の特長である程よいビター感によってスッキリとしたキレのある後味が特長です。
こだわりのシードル。ぜひお試しください。
今回は”シードルってそもそもどんなお酒?歴史や作り方、味の違い、合う料理が知りたい!“という方に向けて、私たちのシードルを元に紹介させて頂きました。
この記事がお客さまの参考になれば嬉しいです!
“日本のシードル発祥の地“で造るこだわりのシードル、ぜひお試しください💡
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今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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